私が交通事故に遭ったのは、真夏の深夜でした。仕事を終了して、第二京阪道路、宇治淀線交差点で信号待ちをしていると、突然後ろから乗用車が追突してきました。追突されたショックから、頭を激しくハンドルにぶつけました。警察官に物損事故の調書を取ってもらうと、後は双方で解決するように言われました。加害者は某私立大学教授でした。私は相手の名刺を貰って、デジカメで相手のナンバープレートを撮影しました。
加害者の車もバンパがへこんでいました。私の車もへこんでいて、砂利道を走行すると、トランクが勝手に開く物損でした。翌朝、耳鳴りがひどいので、病院でむち打ちの症状を疑って通院しました。診断の結果、首に輪を巻いて、しばらく安静にするように言われました。治療費は二万円ちょっとかかりましたが、治療費の請求先は、加害者の某外資系保険会社となったようです。その後、代車が自宅にやってきて、へこんだ車は修理することになりました。通院は合計三回ほどで、耳鳴りが収まったようです。
その後の保険会社のずさんな対応にがっかりしました。一か月後に自宅に電話がかかってきました。てっきり、車は修理されているかと思いました。だが、保険会社のアジャスターの説明はこうでした。「あなたの乗車している軽自動車の車体価格は35万円です。だが修理には45万円かかります。よって、現在修理を放置している。」と言われました。「どうしますか?」私はこう答えました。「赤信号で信号待ちしている所へ追突したのが、某私立大学教授です。事故責任は10-0で教授が悪いです。よって修理してください。」その言葉に怒ったアジャスターが、凄い剣幕で、私を言いくるめようとしました。
私は腹立ったので、こう言いました。「もう一か月待ちます。もし放置していれば、教授の勤務先の大学へ行きます。それでも駄目な場合は、簡易裁判所へ即金請求裁判を起こします。」これにはアジャスターは黙ったようです。どうなるかと思いきや、さらにもう一か月放置されました。よって、民法の原状回復の条文をコピーして、勤務先の私立大学へ行くと、教授は大学構内での示談交渉することになりました。翌日、新車だった代車が中古の軽自動車に交換になりました。今度は、さらに安い価格で修理する自動車整備会社に、私の車が修理されることとなりました。私はその場を立ち合いました。
修理工曰く、「古い部品を使用してもよろしいでしょうか?」と聞いてくる。理由を尋ねると、某外資系保険会社の報酬が少ないとのこと。私の車を修理すれば、赤字15万円発生するよう。だが断れば次の仕事が来ない。よって泣く泣くこの仕事を引き受けた模様。結局私が泥をかぶるはずが、某修理会社社長が泥をかぶった模様。事故後、三か月後に修理完了しました。保険会社からは三万円の慰謝料を受け取りました。お金を払うとなれば、引き延ばし。10-0の過失割合でも世間の金銭の厳しさを知る結果となったおかま事故の示談交渉でした。